ポオで、作家でといえば、エドガー・アラン・ポオですよね。エドガー・アラン・ポオこそ、探偵小説の生みの親とされています。たとえば『モルグ街の殺人』は、1841年年に発表されています。
エドガー・アラン・ポオは、1809年1月19日、アメリカのボストンに生まれています。お父さんは、デイヴィッド・ポオ・ジュニア、お母さんは、エリザベス・アーノルド・ポオ。エリザベスは、英國生まれの女優であり、歌手だったと伝えられています。
エドガー・アラン・ポオが結婚するのは、1836年5月のこと。新婦の名前は、ヴァージニア・クレム。この時ポオは27歳、ヴァージニアは13歳でありました。ヴァージニアのお母さん、マライア・クレムはポオにとって叔母。つまりヴァージニアはポオの従姉妹でもあったのです。
ただ、ヴァージニアは若くして天に召される。胸の病いで、24歳で世を去っています。1847年のことです。これ以降、アラン・ポオと酒が親しい友人となるのですが。
ポオを尊敬していた日本の詩人に、佐藤春夫がいます。佐藤春夫の代表作に、『田園の憂鬱』がありますね。『田園の憂鬱』の冒頭に、ポオの詩が掲げられています。
私は、呻吟の世界で
ひとりで住んで居た
とはじまる詩が。
佐藤春夫の短篇に、『旅びと』があります。この中に。
「ポンジイの上衣は長旅でへたばって、汗染みた。」
そんな一節が出てきます。「ポンジイ」は、たぶんポンジーのことかと思われます。ポンジー
pongee は、「絹紬」のこと。絹紬と書いて「けんちゅう」と訓みます。本来は「山繭」で平織にした絹地のこと。たいていは自然の、染めない、やや黄味がかった色に仕上げられる。戦前までは、夏背広の生地とされたものです。
もしもポンジーのサマー・スーツがあれば、ポオの古い本を探しに行きたいところですが。