シェルブールとシアサッカー

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シェルブールは、フランス、ノルマンディーの町ですよね。海に面していて、港町。シェルブールといえば、カトリーヌ・ドヌーヴでしょうか。
1964年の映画、『シェルブールの雨傘』に出演して、拍手喝采となったのが、カトリーヌ・ドヌーヴ。『シェルブールの雨傘』は、映画といえば映画なんですが、科白はまったくありません。ぜんぶ唄になっているので。つまりはミュージカル映画。カトリーヌ・ドヌーヴの場面は、歌手のダニエリ・リカーリが吹き替えたんだそうですが。
シェルブールはたしかにフランスの領土なんですが、イギリスにも近い。むかしの話ではありますが、イギリスがシェルブールを攻めたこともあったらしい。1692年6月1日のことであります。歴史上の「シェルブールの海戦」。一時はシェルブール一帯を英國軍が占領して、無理矢理、英國名をつけたりも。バスク・シャツで知られる「セント・ジェイムズ」なども、その一例かも知れませんね。
1944年に、シェルブール近くにいたアメリカ人に、サリンジャーがいます。『ライ麦畑でつかまえて』の名作で知られる、J・D・サリンジャーが。正確には、1944年6月6日の日に。
1944年6月6日、サリンジャーはどうしてシェルブール近くにいたのか。J・D・サリンジャーはその時アメリカ軍の兵士で、いわゆる「D デイ」作戦に参加していたので。
サリンジャーが1953年に発表した短篇に、『テディ』があります。この中に。

「素足のままにひどく汚れた白のバスケット・シューズを履き、シアサッカー地の半ズボン……………」。

これはもちろん、テディの様子なんですね。
シアサッカーの歴史は古く、最初のシアサッカーは絹地だったそうです。コットンでも皺になりにくいように、シアサッカー織が採用されたのは、アメリカにおいてだったという。
シアサッカーのスーツで、シェルブールを旅するのは、夢のまた夢…………。

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