蘭とラウンド・カラー

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

蘭は美事な花ですよね。蘭は、英語で「オーキッド」 orch id 。これはギリシア語の「オルキス」からきているんだとか。もっともギリシア語の「オルキス」の意味が何であったのか、私は知る由もないのですが。
ひと口に蘭と言ってもその種類は多くて。ざっと二万五千種の蘭があるんだそうですね。
その昔、ベルギーの植物学者、ジャン・ジュール・ランダンは、中南米を旅して。約千二百種の、新しい蘭を発見したという。もうこうなりますと、植物学者である前に、探検家ということにもなるのでしょうが。
芥川龍之介が蘭を抜いた話。芥川龍之介は、明治二十五年三月一日の生まれ。これは、辰年辰月辰日、しかも辰の刻に産声をあげたので、龍之介。
龍之介のお父さんが蘭好きで、蘭の茎を植えた。それを雑草だと思った小さな龍之介が、抜いて。でも、お父さんは龍之介を叱ることはなかったという。
芥川龍之介が、『夜来の花』を新潮社から出すのが、大正十年三月のこと。この頃、西洋服姿の、芥川龍之介の写真が遺っています。それを見ると、堅いハード・カラーの丸い、折襟シャツを着ています。
ラウンド・カラーは、もともと立襟時代のスタイルで、襟先が喉に刺さっていたいので、丸くしたもの。十九世紀の襟は、それほどに堅かったのですね。
そこにいきますと、蘭の花は優しくて、佳いですね。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone