シラクサは、イタリア、シチリアの町ですよね。典型的な南イタリアも町。でも、実際に行ってみると、イタリアというよりは、古代ギリシアの町に迷いこんだ錯覚に陥るほどです。空は青く、海も青く、食べ物が美味しくて、お手ごろな値段。
今なお、古代ギリシアの遺跡も多く、世界遺産に登録されているほどです。このシラクサと少し関係があるのが、カラヴァッジョ。イタリアが生んだ天才画家のカラヴァッジョ。イタリア、十六世紀の絵師。一瞬、写真?と想わせてしまうところがあります。透徹の絵師。もしもこれがピアノだったら、たぶん「超絶技巧」と呼ばれていたことでしょう。
「シラクサには≪聖ルチアの埋葬≫ を残した。メッシーナでは、傑作と言われる作品を二点描いている。≪ラザロの蘇生≫と、胸を打つ≪羊飼いの礼拝≫。」
ダニエル・シルヴァ著『亡者のゲーム』には、そのような出ています。『亡者のゲーム』は、2014年の発表。カラヴァッジョの絵を巡ってのミステリになっています。
カラヴァッジョは短くも、波瀾万丈の人生で、ある事件との関係から、イタリア中を逃亡。逃亡中にも、絵筆を放すことのなかった絵師なのです。その逃亡中の絵が皆、名画というのも不思議なものですね。
『亡者のゲーム』には、こんな描写も出てきます。
「一万ドルもするイタリア製のスーツや、香港で特別に誂えさせているトレードマークのストライプのシャツとともに…………………。」
これは、ロシアの大富豪、ヴィクトル・オルロフの着こなし。スーツが一万ドルということは、シャツはどれくらいになるのでしょうか。
私は勝手に、サテン・ストライプのシャツを想像してしまったのですが。
まあ、なにかお気に入りの縞もシャツで、カラヴァッジョの画集を探しに行くとしましょうかね。