ウォークとウエイストコート

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ウォークは、歩くことですよね。ウォーカーは、歩く人でしょうか。そういえば、「ジョニー・ウォーカー」というウイスキーがあります。
「ジョニー・ウォーカー」そもそものはじまりは、1820年のこと。「ジョニー・ウォーカー」の銘柄そのものは、1908年からなんだそうですね。創業者の名前が、ジョン・ウォーカーで、その愛称が、ジョニー。創業者の愛称によって人気になったウィスキーでもあります。
ジョニー・ウォーカーもたいへんよろしいのですが、ウォークはさらによろしい。人は足から衰えるとか申しますから、歩くのはたいへん健康によろしい。ジョニー・ウォーカーの商標の紳士も、元気よく歩いているではありませんか。
この「歩く」がミステリの題となっているものに、『夜歩く』があります。1930年に、ジョン・ディクスン・カーが発表した物語。今ではミステリの古典といって良いものでしょう。原題は、『イット・ウォークス・バイ・ナイト』。ジョン・ディクスン・カーにとっての第一作となった記念すべきミステリでもあります。
そのジョン・ディクスン・カーが、二十年後の1950年に発表したのが、『ニューゲイトの花嫁』。『ニューゲイトの花嫁』は、英國のリージェンシー時代が背景になっています。まあ、その意味では歴史小説とも言えるでしょう。
英國のリージェンシー時代とは、つまりボオ・ブランメルが活躍した時代でもあるのですが。
著者、ジョン・ディクスン・カーは、『ニューゲイトの花嫁』のあとがきに、かなり長い解説を加えています。珍しいことでもありますが。その解説は、「好事家のための覚書」となっています。
この「好事家のための覚書」を読むと、ジョン・ディクスン・カーが『ニューゲイトの花嫁』のために、数多くのリージェンシー時代の文献を読み込んだかが分かります。具体的に稀覯本の数かずをも挙げています。『ニューゲイトの花嫁』が、読みごたえある内容であるのも、納得であります。この中に。

「金目ではあるがきわめて地味な服を着ていた。ただしチョッキは白地に赤の小枝模様だから派手である。」

これは、当時の青年貴族の、ティロットソン・ルイスの着こなし。
「白地に赤の小枝模様」。さて、どんな模様なのか。でも、一度はそんなウエストコートを着てみたいものですね。
洒落たウエストコートで、ミステリを探しに本屋まで歩くといたしましょう。

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