タイスとダッフル・コート

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タイスは、名曲ですよね。もちろん、『タイスの瞑想曲』。心洗われる旋律に満ち満ちています。ジュール・マスネの作曲。
今は、『タイスの瞑想曲』として、独立した曲でもありますが、もともとはオペラ『タイス』の間奏曲として使われたものなんだとか。『タイス』の初演は、1894年3月6日のことと伝えられています。これには原作があって、同じく『タイス』。アナトール・フランスが、1890年に発表した小説。
アナトール・フランスの『タイス』にも源があって、ドイツの伝説。十世紀に、ドイツの尼僧、ロスヴィータが書き遺した物語に由来します。
「タイス」美しく、可哀相な女優の名前。その「タイス」を救おうとするところから、物語がはじまります。初演時に「タイス」を演じたのが、シビル・サンダースン。というよりも、マスネは、このシビルのために『タイス』を創ったとさえ言われています。まあ、それにしても、名曲中の名曲ですよね。
タイスはそんなわけで、そもそもは人の名前。タイスが出てくるミステリに、『裏切りのスパイたち』があります。

「ジェイ・タイスは両手をトップコートのポケットに奥深く突っ込み、暖をとろうとしたが無駄だった。」

ジェイ・タイスは、元 CIA のスパイという設定。また『裏切りのスパイたち』には、こんな描写も出てきます。

「高い鼻筋に骨ばった顔つき、アメリカ製のジーンズとダッフルコートに身を包んでいた。」

ここでのダッフル・コートは、どんな色なのでしょうか。とくには記されてはいません。というは、もしかして淡褐色だったのでしょうか。
なにか好みのダッフル・コートを着て、タイスのレコードを探しに行くといたしましょうか。

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