ボクシングとボウ・タイ

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ボクシングは、拳闘のことですよね。箱のような舞台の上で、素手で戦うので、「ボクシング」。素手。そうなんです、最初のボクシングは素手だったそうです。
ボクシングがお好きだった作家に、三島由紀夫がいます。三島由紀夫は身体を鍛えるために、まずボディビルをはじめて。ボディビルの次に、ボクシングを。三島由紀夫がボクシングをすると、どうなるのか。『ボクシングと小説』という随筆には、こんなふうに書いています

「シャドウ・ボクシングに熱中して大汗を流し、目の中へ流れ込む汗を感じてゐるとき、私は大ゲサな話だが、ショウペンハウエル的な世界から遥か遠く離れてゐる自分を感じて嬉しい。」

まあ、ボクシングひとつにも、いろんな感じ方があるんでございますねえ。
ボクシングの名手だったお方が、ホームズ。シャーロック・ホームズ。

「彼と同じ体重級で彼ほど優れたボクサーを私はみたことがない。」

『黄色い顔』の中で、ワトソンはそのように語っています。「彼」が、ホームズを指しているのはもちろんのことです。『孤独な自転車乗り』の中では実際に、悪漢をボクシングでやっつける場面があります。
ホームズがボクシングを披露する場面。これは例によって例のごとく、シドニー・パジェットが絵を添えています。そのシドニー・パジェットの絵を見ると。
ホームズはラウンジ・ジャケット姿で、お決まりのディアストーカーをかぶり、ボウ・タイを結んでいます。
うーん。ディアストーカーにボウ・タイですか。
そういえば、ボクシングの審判は蝶ネクタイを結んではいますがね。

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