エレノアと英國製

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エレノアは、女の人の名前ですよね。たとえば、エレノア・オブ・イングランドだとか。
エレノア・オブ・イングランドは、ヘンリー二世の王女。1170年に、アルフォンソ八世に嫁いでいます。この時、おん歳八歳。お若いことですね。
1905年に二十歳で結婚したのが、エレノア・ホール。新郎の名前は、フランクリン・ルーズベルト。フランクリン・ルーズベルトがまだ、ハーヴァード大学の学生だった時に。フランクリン・ルーズベルトは、後に第三十二代アメリカ大統領になったお方。つまり、エレノア・ルーズベルトとなるのですが。
エレノアはうんと小さい時、お母さんに「可愛くないのね」と言われたことがあって。それがずっと心に遺っていて。いつも、家の中ばかりに。
1900年のはじめにセオドア・ルーズベルト主催のパーティーに。ホール家とルーズベルト家は遠い親戚だったので。そのパーティーの席で、フランクリンがエレノアを見初めたのであります。やがてフランクリンはエレノアに求婚。ハーヴァード近くの川に沿って散歩しながら、フランクリンは言った。

「エレノア、きみに手伝ってもらいたいことがあるんだよ。」

うーん、なかなか上手い表現ですね。1905年3月17の挙式。
エレノアが出てくる小説に、『北緯四十二度線』があります。ジョン・ドス・パソスが、1930年に発表した物語。

「エレノアがある晴れた日、最初の一週間分の俸給袋を手に持って、ランドルフ通りに出たとき……………………。」

これは、エレノア・ストッダードという女性。『北緯四十二度線』には、こんな描写も出てきます。

ウォードはマドレーヌ教会近くの英国人の洋服商で服を四着新調した。」

ウォード・モーアハウスはアメリカ青年。場所は、巴里左岸。それでやっぱり「英國製」ともいうべき服を新調するんですね。1920年代末に。
そうそう、今の「英國製」スーツが完成されたのは、1930年代のことだと考えられています。
なにか「英國製」と胸を張れるスーツで、私なりのエレノアを探しに行きたいものですが………………。

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