ブロンドとブルゾン

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ブロンドは、金髪のことですよね。どうも金髪は世界の全男性あこがれの的のようであります。なにしろ、「ブロンド・ヴィーナス」の言葉もあるくらいですから。
需要があれば供給があるのも理の当然で、わざわざブロンドに仕上げるヴィーナスもいらっしゃるんだとか。
世界の割合から申しますと、金髪のあらわれる確率は、1、8%なんだそうですね。もし、この割合が8、1%だったら。もし、81%だったら。
まあ、そんなせっかくの夢がこわれる計算はやめておきましょう。いつか、ブロンド・ヴィーナスに出会う日のためにも。
ブロンド・ヴィーナスが出てくる小説に、『ジン』があります。1981年に、フランスの作家、ロブ=グリエが発表した物語。副題に、「ずれた舗石のあいだの赤い穴」。もうこれだけで、只者ではない小説家ということが、お分かりでしょう。

「髪は金髪、瞳は黒、山中の湖のように黒くて深く、瞼の端が精妙に先細りしていた。黒い瞳をした金髪女というのはそうひんぱんにお目にかかれる取り合わせではない。」

これは、クレア・キャヴェンディッシュという女性を前にしての、主人公の呟きなんですね。
しかも、クレアの脚は素晴らしく、主人公は脚を見ないように大いなる努力をした、とも書いているのですが。うーん、この広い世の中には、ほんとうにブロンド・ヴィーナス、いるのかも知れませんね。
また、『ジン』には、こんな描写も。

「ラム革のジャンパーとカシミアのセーターの存在を確認した。」

これは、ある青年の着ている服装について。「ラム革のジャンパー」、いいですね、柔らかそうで。
フランスなら、「ブルゾン」でしょうか。どこかに白いラム革のブルゾンはありませんか。「ブルゾン・ヴィーナス」とでも呼びたいデザインの。
ブロンド・ヴィーナスよりはまだしも、「ブルゾン・ヴィーナス」なら手が届きそうですから。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone