ペニーとペッパー&ソルト

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ペニーは、イギリスの通貨の単位ですよね。日本の一円とか十円というのに近いのかも知れません。
今は英国も十進法ですから、わりあいと計算が楽です。が、以前は十二進法で、ずいぶんと頭の体操をさせられた記憶があります。
英国のペニー硬貨が作られたのは、1797年のことだったとか。倫敦、ソーホーの、マシュウ・ボールトンが鋳造。そのときには銅貨だった。それで、「コパー」といえば、一ペニーを意味したんだそうです。
イギリスには、「一ペニーのために始めたことは、一ポンドを手に入れるまでやる」の慣用句があるらしい。「イフ・フォア・ア・ペニー、イフ・フォア・ア・ポンド」。
「ペニーファージング」は、自転車の名前。自転車の前輪が大きくて、後輪がうんと小さい自転車のこと。ペニーもファージングもコインのことで、それを前と後に使い分けたみたいなので、「ペニーファージング」。1870年頃の考案。1885年になって、今のような前後とも同じ大きさの自転車があらわれたとき、「セイフティ」と呼ばれたという。ペニーファージングは多少危なかったのでしょうか。
まあ、これはほんの一例で、英国でのペニーはいろんなところで形容に用いられるようです。

「二本マストの帆船「ボーイ・ナイフ号」上で、哀れな商船員ジャックがペニーウエイトずつ脳味噌を叩き出されているというのに。」

ディケンズの『哀れな商船員のジャック』には、そのように出ています。その時代には、ペイパーウエイトに似た、紙抑えがあったものと思われます。
同じくディケンズの『アルカディアのロンドン』には、こんな描写が。

「彼が霜降りのジャケットを ー ジャケットをですよ ー 着てとび色のラシャのズボンをはき…………………。」

ここでの「霜降り」は、ペッパー&ソルトかも知れませんね。白とグレイとが細かくミックス調にあらわれている柄のこと。イギリスのファッション用語としては必ず、「ペッパー&ソルト」。ソルトアンドペッパーとはなりません。
ペッパー&ソルトの服を着て、お金の入ってくる夢でも見るとしましょうか

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