ブルーは、青のことですよね。スーツの色にも少なくありません。というよりも、ビジネス・スーツには、ブルー系かさもなければ、グレイ系ということが多いのではないでしょうか。
ブルーのスーツにはブルーのホーズを合わせると、決めている人もいるでしょう。同じようにグレイのスーツにはグレイのホーズと。一方、ブルー・スーツにもグレイ・スーツにもということなら、ブラックのホーズという選択もあるでしょうが。
今、「ブルー・ストッキング」 b l u e st ock ing を辞書で調べると。「才女」と出ています。ブルー・ストッキングがどうして「才女」の意味になるのか。
「ブルー・ストッキング」は、1750年頃の倫敦に遡るという説があります。その頃、倫敦の、ヒル・ストリートに、エリザベス・モンタギューという名前の女性が住んでいた。
エリザベス・モンタギューは向学心のある女性だったので、自宅を解放して、勉学のためのサロンを開いた。エリザベスは当時、知識人であったベンジャミン・スティングフリートという若者を招待。けれどもベンジャミンは服装を理由に断った。
「そのようなサロンに出て行く服装を持っておりませんので……………………。」と。
これに対してエリザベスは、ベンジャミンに行った。
「服装など、ブルー・ストッキングでよろしいじゃありませんか。」
これは、ブラック・シルクの靴下に対する表現で、「青いウールの靴下」の意味だったのです。そこで実際に、ベンジャミンは「ブルー・ストッキング」で出席。しかしベンジャミンの発言は、際立っていた。そこでだんだんとそのサロンに集う女性たちのことを、「ブルー・ストッキング」と呼ぶようになったんだという。
この「ブルー・ストッキング」を日本語にしたのが、「青鞜」。明治四十四年頃の話であります。つまり「青鞜」、もしくは「青鞜派」は才女の意味になるわけですね。
ブルーが出てくる論文に、『ロラン・バルト モード論集』があります。
「今年はブルーが流行」といった言葉を読むと、これらの命題に何らかの意味の構造があると思わざるを得ない。
著者、ロラン・バルトは、モード誌の表現から、分析をはじめています。また、『ロラン・バルト モード論集』には、こんな解説も。
「モードのブランメル化とでも呼ぶことができようか………………………」。
ひとりの男の着こなしから、やがて広く流行する現象を、ロラン・バルトは「ブランメル化」と名づけているわけですね。
ブランメルが、あのボオ・ブランメルであるのは言うまでもないでしょう。ブランメルを気取って、ブルー・コートを着るといたしましょうか。