スケルツォとスカーフ

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スケルツォは、音楽用語のひとつですよね。スケルツォは大まかにいって、軽やかな楽曲のことであります。
スケルツォ sch erz o はもともとイタリア語で、「戯れ」の意味。英語の「ジョーク」にも似ているでしょうか。その「スケルツォ」、音楽用語としてはなかなか出世して、「戯れ」から「流麗」くらいにはなっています。
ブラームスにも、「スケルツォ 変ホ短調」があります。1851年に、ハンブルクで完成。1853年6月8日、初演。ブラームス自身の演奏によって。
ブラームスは1862に、ウイーンに。ウイーンがすっかりお気に召したブラームスは、以降、晩年までウイーンで暮らすことになります。
ブラームスがウイーンの街を歩くと、子どもたちが寄ってくる。いつもブラームスがキャンディーをくれるのを知っているから。ブラームスのポケットはたいていキャンディーでいっぱいになっていたという。
ブラームスはそんなふうにして歩いて、「ツム・ローテン・イーゲル」へ。ランチを食べるために。まず、ピルゼン・ビールを飲み、山盛りのザワークラウトと、ロースト・ポークとを平らげる。
ランチが終ると、「カフェ・ハインリッヒスホーフ」へ。モカ・コーヒーを飲みに。モカ・コーヒーに満足すると、軽く微睡む。これが、ブラームスの昼下がりの日常であったという。
この話は、『ルドルフ』に出ています。1979年に、フレデリック・モートンが発表した歴史書に。この題名からも窺えるように、十九世紀末の、ウイーン、ルドルフ皇太子を描いた史書。この中に。

「彼はひとりだった。ドレッシングガウン姿で、シルクのスカーフをさりげなく首に巻き、なんとも魅力的な皇太子を完璧に演じていた。」

これは、自邸のビリヤード室での、ルドルフ皇太子の着こなし。なるほど。何かを演じるには、上質のスカーフが欠かせないもののようですね。

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