ウインザー公は、紳士服飾の20世紀のスタイルやトレンドに大きな影響と功績を残した。それは21世紀の現代でも、燦然と輝き続けている。そんなウインザー公へのオマージュも込めて、選びぬいた情報や製品をセレクトしてお伝えします。
東京•秋葉原にあるダイドー リミテッド ビルで4月23、24日にニューヨーカーの2015年、秋冬コレクションの展示会が開催された。
今回のテーマは「Manhattan Transfer」、毎日を美しく、そして人生を豊かに過ごす人たちへ向けてマンハッタンのライフスタイルをテーマにしたコレクションを展開。
21世紀に、かつてのアメリカン トラディショナルも進化系となり、アップデイテッド トラディショナルと呼ばれ始め、各種アイテムもシェイプシルエットが主体となった。しかし、伝統的なモチーフはそのままで全体の印象は洗練された躍動感のある着こなしに。上段の写真からもダークトーンの極めてプレーンなスタイリングに、際立つタイとポケットスクエアのコーディネイションが絶妙な感覚を生み出している。
スタイリングの背景には、マンハッタンでテーラーを営む英国人オーナーのアトリエ風景が演出され、奥深いイメージが感じられた。
服作りの技術面でも、ニューヨーカーが誇る手仕事の緻密さや、トラウザーズ(スラックス)のシルエット完成度への拘りが見事な限りだった。
カジュアルな着こなしで、目立っていたのは、ピーコートをメインにした男女のボディディスプレー。ここ数年来の安定した人気アイテムであるピーコートも、まさにアップデイテッドでレベルの高いグレーやホワイトを、ベースカラーを合わせたボーダーニットやシャツでコーディネイション。新鮮且つ美的な着こなしを表現しているようだった。
ニューヨーカーの全体の印象は、ここ数年の間にシーズンテーマの明確化が進み、売り場演出が本格化、エンドユーザーもスタイリングが理解しやすくなり、ワードローブを意識しながら各シーズンの装いを楽しめるように。また、服装アイテムも微妙な流行感覚を生かして、ジャケットやコート類のシルエットやカッティングにも高度な仕上がり感が理解出来る。
正直なところ、高額なインポートブランドの服よりも、ワンランク上のスタイリングも十分に可能ではないだろうか。