パブリック・スクールとハンド・ウーヴン

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パブリック・スクールは、英国の私立学校のことですよね。。日本にも私立学校はあります。が、日本の私立校とイギリスの私立校とはかなりの違いがあるようです。
いちばんの違いは、寄宿制。だいたい十三歳から十八歳までの生徒が、共に学び、共に暮らす制度なのです。
寄宿舎には舎監がいて、なにかと教えてくれることにもなっています。
たとえば、イートン校。たとえば、ハロー校。たとえば、ラグビー校。
代表的な英国人とされるウインストン・チャーチルは、ハロー校から、サンドハーストに進んでいます。
また、イートンから、オックスフォードに進学する者も少なくありません。
パブリック・スクールは一言で言って、エリート教育には最適の学校だということになるでしょう。ただ、学費が高額であるのも、いうまでもありません。
パブリック・スクール出身者はたしかに、選良です。と同時にそれはかなりの裕福な家庭でもあることを意味するのであります。
パブリック・スクールが出てくるミステリに、『十一月の男』があります。1972年に、英国の作家、フレデリック・フォーサイスが書いた物語。

「パブリックスクールの教育は受けたが、その学費を出したためにわたしの父は破産し………」

これはイギリス人の大富豪、ジョスリン・ホリスの述懐として。

ところで大富豪、ジョスリン・ホリスの服はどんなふうになっているのか。

「スーツはプールで作らせて、イニシャル入りのシャツはターンブル・アンド・アッサー、靴はロブで作らせるというぐわいだった。」

しかも、すべて四セットづつ。それというのも、自宅が四ヵ所にあるから。ロンドン、パリ、バッキンガムシャー、ニュウヨークに。それぞれのクローゼットに同じものが収められているので。

また、『十一月の男』には、こんな描写も出てきます。

「マレーはブルーの無地の手織りのネクタイを締めて記者会見に臨み、一週間後、一九七二年のリチャード・ニクソンをも凌ぐ圧倒的支持を受けてアメリカ合衆国大統領に選ばれた。」

手織りの絹。いいですねえ。
どなたかハンド・ウーヴンのネクタイを拵えて頂けませんでしょうか。

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