キスは、接吻のことですよね。kiss と書いて、「キス」と訓みます。でも、キスなのか、キッスなのか。
🎶 キッスは目にして 罪は薔薇色………
1981年のヒット曲『キッスは目にして』は、「キッス」になっていましたが。作詞は、阿木耀子。作曲は、ベートーヴェン。
「余は手袋をはめ、少し汚れたる外套を脊に被ひて手をば通さず帽を取りてエリスに接吻して楼を下りつ。」
森 鷗外の短篇『舞姫』の一節に、そのように出ています。実際の出来事は、明治十七年頃のこと。
小説『舞姫』が、ドイツ留学中の森 鷗外の経験から生まれていることは、今や定説となっています。
明治十七年。当時、二十二歳だった森林太郎の頭には、キスよりも「接吻」だったのでしょう。ただ、明治十七年。ドイツ、ベルリンで、後の文豪、森 鷗外が接吻したのは、まず間違いないでしょう。
キスが出てくるミステリに、『ステラの遺産』があります。1995年に、イギリスの作家、バーバラ・ヴァインが発表した物語。
「ステラはそれを受けとり、驚くほど力をこめて両手でわたしの顔をはさみ、キスした。」
また、『ステラの遺産』には、こんな描写も出てきます。
「………さまざまな色のギンガムチェックを継ぎあわせた薔薇の蕾の模様の素敵なキルティングのガウンが広げてあった。」
ギンガムは、永遠の古典柄ですよね。老若男女の枠を超えて。また、家具にも、テーブルにも。
どなたかギンガムのジャケットを仕立てて頂けませんでしょうか。