コーヒーは、カフェのことですよね。
🎶 一杯のコーヒーから
夢の花咲くこともある
昔むかしの流行歌に、『一杯のコーヒーから』そんな歌があった記憶があります。その頃のコーヒーはたいてい喫茶店で飲んだもので。喫茶店には、喫茶店での出会いがあったのでしょう。
喫茶店の前はと申しますと、カフェエ。今のカフェに似てはいるのですが、なぜか「カフェエ」と言い、「カフェエ」と書いたらしいのです。
カフェエがお好きだった作家に、宇野浩二がいます。
「そうだ、電車に乗る前に、尾張町の角のカッフェエ・ライオンにでも立ちよって、珈琲を一ぱい飲んで行こうかな。」
宇野浩二の『晴れたり君よ」には、そのように出ています。ここに「尾張町」とあるのは、今の銀座四丁目のことです。当時はここに、路面電車が走っていましたから。
昭和七年二月一日の宇野浩二の『日記』を開いてみますと。
「明治カフェーに寄る 五十銭。」
そんなふうに書いてあります。昭和七年の五十銭は、今の五百円くらいなのでしょうか。
「大勝館に入る。八十銭。カフェエ三十五銭。帰り五十銭タクシ………」
昭和七年二月四日の『日記』には、そのように書いてあります。
ここでの「大勝館」は、映画館のことかと。まあ、それではともかく、宇野浩二の『日記』を読んでおりますと、珈琲やカフェエの話がたくさん出てきます。
コーヒーが出てくるミステリに、『春の自殺者があります。フランスの作家、レイモン・マルローが、1972年に発表した物語。
「やがて、ロレーヌは通りがかりのボーイにコーヒーを注文した。」
ロレーヌ・ミュルドックは、会計士の妻という設定になっています。
また、『春の自殺者』には、こんな描写も出てきます。
「四方の壁はコルドバ皮が張りつめてあって、背もたれの高いスペイン風の椅子が片方に寄せて並べてある。」
うーん、壁一面のコードヴァンですか。ふつうの靴ならいったい何足作れるのでしょうか。
「コードヴァン」、cordovan は、スペインのコルドバに由来する名前です。
どなたか白いコードヴァンの靴を作って頂けませんでしょうか。