ゴーリキーは、ロシアの作家ですよね。代表作は『どん底』でしょうか。
ゴーリキーは1868年3月16日に、今ゴーリキー市に生まれています。後の時代になって作家の名前に因んで改名したものです。
ゴーリキーはほとんど学校教育は受けていません。それというのも十歳で小学校を辞めていますから。1878年のことです。1879年には、靴屋の小僧になっています。
1880年には、十二歳で、定期船「ドーブルイ号」の皿洗いに。
この時のコックに「スムールイ」という先輩がいた。スムールイはゴーリキーに本を読むことを薦めて。それ以来、ゴーリキーはありとあらゆる本をむさぶるように読むようになったそうですね。
1887年、十九歳のゴーリキーは苦労の連続で、死ぬことまでも考えたらしい。
1892年、二十四歳で、『マカール・チュドラー』の処女作を発表。
1899年、ヤルタではじめてチェホフに会っています。チェホフ主宰の同人誌『水曜会』の同人にもなって。
ゴーリキーがお好きだった日本の作家に、五木寛之がいます。若い時、偶然、戸塚の古本屋でゴーリキーの『わたしの大学』が目に入った。そして、それを買った。大きな衝撃を。
「人間はたとえどんなことがあっても生きて行けるんだ」と。
「私はゴーリキーの『わたしの大学』を読むことで、死から免れた。」
五木寛之の随筆『ゴーリキー』に、そのように書いています。
すでに触れたように、ゴーリキーと親しかった作家にチェホフがいます。晩年のチェホフの写真を観ると外套を羽織っているのですが。もっとも寒い所ですから、外套は当たり前でしょう。
チェホフは1904年、四十四歳で世を去っています。おそらく1900年頃の写真でしょう。その外套の肩線が、コンケイヴ・ショルダーになっているのです。
コンケイヴ・ショルダー concave shoulder
は、弓形に上に反った肩線のことです。
どなたか美しいコンケイヴ・ショルダーの外套を仕立てて頂けませんでしょうか。