皆生とカシミア

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皆生は、日本の地名にありますよね。皆生と書いて、「かいけ」と訓みます。昔、一時期「皆生」という準急列車があったんだそうですが。よほどの鉄道マニアでもないかぎり、よくは覚えていないでしょう。
よほどの鉄道マニアが、「天城 一」推理作家。天城 一の推理小説に『準急《皆生》』があります。1994年に発表された物語。

「それで、新見駅初10時45分発の《皆生》という準急に乗るつもりでした。」

これも「船越」という人物の話として。
準急「皆生」で新見駅を出ると、次は12時13分に倉敷に停車する列車なんです。この「皆生」を巡ってのアリバイ崩しになっています。

列車の「皆生」とは別に、皆生温泉があるのはご存じの通り。米子駅からすぐのところ。海にも近い温泉場であります。1955年に皆生温泉に旅した作家に、伊藤
整がいます。

「十時二十七分の三等車にやっと席をとってもらい米子に向う。一時着、市外の海岸の皆生温泉のひさごやというのに泊る」

7月2日の土曜日の『日記』に、そのように書いています。宿では色紙を何枚か書かされたとも、書いているのですが。

同じ年の11月9日は水曜日で、伊藤 整は銀座に出ています。銀座の「コロンバン」でコーヒーを飲んで。

「貞子に二万五千円のカシミヤのショールを買う。」

うーん、優しいですね。
どなたか極上のカシミアのスカーフを作って頂けませんでしょうか。

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