スコッチとスカーフ

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スコッチは、「スコットランドの」という意味ですよね。「スコッチ・ウイスキイ」というではありませんか。
また、「スコッチ・エッグ」もあります。茹で玉子を挽肉で包んで、パン粉をつけて揚げた料理のことですね。玉子も肉も一緒に味わえるわけであります。
そうかと思えば、「スコッチ・ウッドコック」。これはトーストの頂き方。トーストの上にスクランブルド・エッグを載せて、さらにアンチョヴィを添えた食べ方を、「スコッチ・ウッドコック」と呼ぶんだそうですね。
実際に広く使われているところでは、「スコッチ・テープ」。私たちがごくふつうに「セロテープ」と言っているもの。正しくは「スコッチ・テープ」なんだそうです。
おしゃれに関係あるところでは、「スコッチ・グレイン」牛革への型押し。「石目模様」。スコッチ・グレインの靴は、それほど珍しいものではありません。
「スコッチ・キャップ」。スコットランド特有の帽子に「グレンガリー」があります。あのグレンガリーのことを、「スコッチ・キャップ」とも呼ぶことがあるのです。
防水に関係しているのが、「スコッチ・ガード」。これをコートなどに吹きつけておくと、水が繊維の中までは入らないようになっています。
やや特殊な言葉ではありますが、「スコッチ・マン」。スコッチ・マンは「当て木」のこと。たとえば船と岸壁とが直接ぶつからないための当て木のことです。

スコッチが出てくる小説に『恋愛双曲線』があります。1928年に、英国の作家、オルダス・ハックスレーが発表した長篇。

「パイプを燻らしてゐるスコツチ織のジャケットを着た老人の」

そんな一節が出てきます。そういえば、「スコッチ・トゥイード」もありましたね。
これは、永松 定の日本語訳。昭和七年に、当時あった「春陽堂」から出版されたものです。
また、『恋愛双曲線』には、こんな描写も出てきます。

「マアジヨリは彼のために襟巻を結んでやり、彼のシルク・ハツトと手袋を持つて来て」

「襟巻」。たぶん、シルクの白いスカーフなのでしょう。
どなたかチェスターフィールドにふさわしいスカーフを作って頂けませんでしょうか。

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