ジッパーとハンカチ

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ジッパーは便利なものですよね。
おや、こんなところにもというくらい意外な場所にも使われていて、ジッパーは大活躍。
ジッパーはもともと靴を履くのに簡単な方法として、考えられたんだとか。それくらい昔のボタン・ブーツは面倒だと思われていたんでしょう。
ジッパー zipper の名前が生まれたのは、1926年との説があります。ふつうアメリカで「ジッパー」、イギリスで「ジップ・ファスナー」ということが多いようですが。
イギリスの上流階層の人ではじめてジップ・ファスナー付きのトラウザーズを穿いたのは、マウントバッテン卿だと言われています。
ルイス・マウントバッテンは、英国王、ジョージ六世の従兄弟。一時期、インド総督でもあった人物。このルイス・マウントバッテンから手紙をもらったひとりが、アガサ・クリスティ。その手紙には、こんなことが。

「物語は、後に殺人犯人となるべき人物によって、一人称で語られるべきである。」

『アガサ・クリスティー自伝』に出ている話なんですが。そしてほぼ同じ頃。義理のお兄さん、ジェイムズからもあるヒントをもらっていた。

「ぼくがお目にかかりたい人は、ワトソン役が犯人になることだ。」

このふたつのアイディアから想を練ったのが、『アクロイド殺し』なんですね。1926年の発表。
「ジッパー」と『アクロイド殺し』とは、ほぼ同じ頃に生まれているんですね。
『アクロイド殺し』はその後なにかと話題になって。アガサ・クリスティの小説の中でも売れに売れた一冊なんです。その中に。

「上等の洗濯屋は、ハンカチには糊をつけないものなのです」

もちろん、ポアロの科白なんですね。ハンカチと糊の関係。さて、どうなんでしょうか。
ズボンのジッパーもちゃんと締めたし。あとは胸ポケットにハンカチを挿して、出かけるといたしましょうか。

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