ウインザー公は、紳士服飾の20世紀のスタイルやトレンドに大きな影響と功績を残した。それは21世紀の現代でも、燦然と輝き続けている。そんなウインザー公へのオマージュも込めて、選びぬいた情報や製品をセレクトしてお伝えします。
10月22日、東京・秋葉原にあるダイドーリミテッドのビル9階で、ニューヨーカーの2016の春夏メンズ展示会が開催された。
今回の展示会で先ず注目したのは「On The Road」と言うテーマ、それはアメリカのビートジェネレーションを代表するジャック・ケルアック 1957年の著作名。安住を否定、自由を求め放浪の旅に出る若者たち、それを当時はビート・ジェネレーションと表現し、その後のユースカルチャー(若者文化)にも大きな影響を与えた。そこには、新しい発想と未来へと広がる希望が込めらていたのだろう。
そんな「On The Road」をテーマにしながら、前シーズンより続くニューヨーカーの都会的なビジネス・スタイルにも、更に新しい発想や期待感が…..。
今回、特にスーツのカッティング・パターンや仕立ての確かさも素晴らしく、アメリカン・トラディショナルの洗練された美意識を程よい調和の中で実感させてくれた。これは一見プレーンなコーディネートでも着用者の、さり気ないエレガントを引き出すスタイルなのだと考えられる。
次にビジネスシーンを、知的にアレンジしたリラックス感のあるコーディネートゾーンへ…。最近はビジネス・カジュアルなどとも呼ばれるが、実際はブレイザー、ジャケット、タイをニット類やウェイストコート(ボタン付きベスト)等とコーディネート。これは「常識的でセンスが際立つビジネススタイル」と言ったほうが正確かもしれない。ここでは、ウィンドペンのジャケットやネイビーブレイザー、ギンガムチェックのシャツやウェイストコートなどを大胆且つセンシティブに組み合わせていたのが印象深かった。
その他にも、ブレイシーズ(ズボン吊り)やタイ・スライダー(ネクタイ留め)と言った、古典的な紳士アイテムもリバイバル的な感覚で提案され、装い方の奥深さや次世代に向けた新しい発想も、正しく表現されていた。
今回のニューヨーカーの2016 SS 展示会では、細かなディテールや製品企画のこだわり、素材の吟味や物作りの確かさ、加えて「NEWYORKER MAGAZINE 」のような顧客などに向けた発信力も素晴らしい限りだった。
トラディショナルへのこだわりは、近年の紳士服飾での常識的な装い方を導く上でも、大切な「道=On The Road」なのかもしれない。今の変化と多様化の時代の中で、自らの進むべき装い方を示す、そんな事を考えさせる展示会だった。
お問合わせ
フリーダイヤル 0120-17-0599
受付 10:00〜18:00 土日祝日祭日を除く
ニューヨーカー店舗情報
http://www.newyorker.co.jp/shoplist/