薔薇とブートニエール

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薔薇は誰からも愛される花ですよね。薔薇はいろんなところに描かれ、彩られる花でも。
昔のイギリスに、薔薇の模様が刻まれたコインがあったという。「ローズ・ノーブル」。ローズ・ノーブルは、1344年に英国で造られた金貨。当時の6シリング8ペンスに相当したんだとか。
金貨があるかと思えば戦争もあって。薔薇戦争。1455年から1485年まで続いたので、三十年戦争とも。三十年戦争は、ヨーク家と、ランカスター家との、王位継承を巡っての争い。
ヨーク家の紋章が、白薔薇。ランカスター家の紋章が、赤薔薇。それで、薔薇戦争。
薔薇戦争のさなか、ヨーク家の若者、ヘイ・ドラモンドがランカスターの乙女に白薔薇を贈った話があります。愛の詩を添えて。
それで、というわけでもないでしょうが。やがて両家は仲直り。ここから、「ヨーク・アンド・ランカスター・ローズ」の名前が生まれるんですね。「紅白咲き分けの薔薇」。
昔、「ブルー・ローズ」の言い方があって、「あり得ないこと」の意味として。でも、今は青薔薇もありますからねえ。必ずしも、「あり得ないこと」でもなくなってしまいましたが。
フランスが百合なら、イギリスは薔薇。ちょっとそんな感じも。吉田 茂も薔薇がお好きだった。あるいは英国贔屓と関係があったのかも知れませんね。
薔薇の題がつくミステリに、「ラッシャン・ローズ」 ( ロシアの薔薇 ) が。日本での題名は、『亡命者はモスクワをめざす』。1985年に、フリーマントルが発表した物語。この中に。

「デスクの上には薔薇の花瓶と、部長のボタンホールに挿されたものに見合った花が一輪飾ってあった。」

これは主人公、チャーリー・マフィンの計画が成功して、情報部長の部屋に呼ばれる場面。英国情報部長は、襟に薔薇を挿しているんですね。
なにか襟にブートニエールを飾りたいものですが。

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