探偵とネクタイ・ピン

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探偵が出てくる物語は、たくさんありますよね。ミステリとか、推理小説とか。昔は、探偵小説。探偵小説というくらいですから、探偵があらわれるのも、当然でしょう。
では、探偵が出てくる映画とは。これもいろいろあるんでしょうが、たとえば『昼下がりの情事』。『昼下がりの情事』は、1957年のアメリカ映画。監督は、ビリー・ワイルダー。主演は、ゲイリー・クーパー、オードリー・ヘップバーン、モオリス・シュヴァリエ。
ゲイリー・クーパーは、大富豪で、プレイボーイの役。ビリー・ワイルダーは最初、大富豪の役にケイリー・グランドを予定。ケイリー・グランドの都合がつかないので、ユル・ブリンナー。ユル・ブリンナーも難しくて、ゲイリー・クーパーに。
でも、結局はゲイリー・クーパーが渋い味を出して、成功。物語の背景は、パリで。パリで探偵事務所を開いているのが、モオリス・シュヴァリエ。モオリス・シュヴァリエの娘が、オードリー・ヘップバーン。
ヘップバーンの役は若いチェロ奏者。夜はチェロの練習があるので、「昼下がりの情事」ということなんでしょう。
映画『昼下がりの情事』の原作は、『アリアンヌ』。クロード・アネが1920年に発表した小説。クロード・アネはスイス生まれの、テニス・プレイヤー。テニスの選手から小説家になった人物。アリアンヌ・シャヴァスが、物語の主人公。
「アリアンヌ」はよくある女の人の名前なんでしょうか。カミュの『ミノトオル』にも、「アリアンヌの石」という章が設けられています。
『ミノトオル』には、「或いは、オランの憩い」の副題があって。これはアルジリア、オランが舞台になっています。時代背景としては、1935年ころ。この中に。

「顕微鏡的なネクタイの結び目は、強い飾針で止められている。」

これは当時のオランの若者がいかに着こなしに凝ったかを説明している部分。「飾針」は、たぶんネクタイ・ピンなんでしょうね。
さて、ネクタイ・ピンをして。探偵小説を探しに行くとしましょうか。

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