ワーグナーは有名ですよね。
ウイルヘルム・リヒャルト・ワーグナーは。1813年5月22日。ライプツィヒに生まれています。
ワーグナーの代表作にもいろいろあるんでしょうが。たとえば、『トリスタンとイゾルデ』という選び方もあるでしょうね。『トリスタンとイゾルデ』は、スイスのチューリヒで完成しているんだとか。1857年9月18日に。
「トリスタンとイゾルデ」はもともと古いケルト民話が元なんだそうですね。つまりアイルランドでは昔から語り継がれてきた物語であるらしい。
トリスタンは勇敢な騎士で、悪い龍を退治するよう頼まれる。この悪い龍をやっつけた者が、美しいイゾルデ姫を手にすることができるのだと。
1850年代に。ワーグナー自身にも恋物語があって、どこか事実と物語とが重なっていることがあるのかも知れませんが。
1849年にワーグナーはドイツを離れて、スイスに亡命。このスイスでワーグナーを支えたのが、オットー・ヴェーゼンドンク。チューリヒの富豪。オットー・ヴェーゼンドンクはワーグナーのために、新しく家を建ててくれたりもしています。
『トリスタンとイゾルデ』は、このチューリヒの家で作曲されたと、伝えられています。ワーグナーの晩年の作として、『パルジファル』があるのは、ご存じでしょう。
『パルジファル』が出てくる小説に、『失われた時を求めて』はあります。もちろん、マルセル・プルーストの代表作。
「クリングゾールの実験室よろしく……」。
クリングゾールは『パルジファル』に出てくる魔法使いの名前ですよね。また、こんな描写も。
「私はときおりシャルヴェの華麗なネクタイの結び目を締めなおしたり……」。
「私」が主人公の、シャルル・スワンであることは、言うまでもありません。シャルヴェはパリの銘店。ここから想像するに、プルーストもまたシャルヴェの上客だったのでしょうね。
さて。シャルヴェのシャツを着て。ワーグナーを聴くとしましょうか。