マーラとヴェルヴェット

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マーラの曲は、佳いですねえ。
グスタフ・マーラは、十の交響曲を作るつもりだったみたいですが。十番目の交響曲は未完に終わっています。結局、マーラは九つの交響曲を完成させたわけです。
マーラの交響曲といえば。『交響曲第五番 嬰ハ短調』を想う人もいるでしょうね。これはヴィスコンティの映画『ベニスに死す』でも使われています。
マーラが『交響曲第五番』を作りはじめたのは、1901年の夏。1902年の秋に、完成。1902年3月には、アルマと結婚。つまり『交響曲第五番』は、ちょうどアルマと恋愛、求婚中だったわけですね。
アルマは美人で、才能があって。さらには恋多き女性でもありました。
マーラの『交響曲第九番』の初演は、1912年のこと。ブルーノ・ワルター指揮。ウイーンにおいて。マーラが世を去った翌年のことでした。
1912年1月1日に生まれたのが、キム・フィルビー。ハロルド・エイドリアン・キム・フィルビー。イギリスのエリートで、スパイを疑われて、ロシアに亡命した人物。
その時代のスパイを描いた小説が、『真冬に来たスパイ』。マイケル・バー=ゾウハーが、1984年に発表した物語。この中に。

「下にはビロードのディナージャケット、蝶ネクタイ、礼装用ワイシャツという姿だ。」

これはS I S長官、ナイジェル・サイクスの着こなし。ヴェルヴェットのディナー・ジャケットを着ているんですね。これは優雅で、余裕ある好みのあらわれなんでしょう。

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