カキとチョッキ

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カキ、生カキは美味しいものですよね。
カキはあらゆる食べ物の中で。例外として音を立てて食べて良いものなんだそうですね。
昔、ジャン・コクトオは、レストラン「グラン・ヴェフール」のある建物の上に住んでいて。よく「グラン・ヴェフール」で食事をした。で、カキを食べ終わると。手で持った殻を口に近づけ、壮麗なる音とともに飲んだと、伝えられています。
カキにもいくつかの種類があるのは、言うまでもありません。パリで多くの食べるものに、カンカルが。これはカンカルの港で採れるので、その名前があります。
フランスの、ブルターニュ地方。サン=マロがあって、カンカルがあって、モン=サン・ミッシェルがあります。モン=サン・ミッシェルには城が聳えていて。潮が満ちている時には、孤島。潮が引くと楽々と歩いて渡れる。つまり、世界でも珍しいほど、干満の差が大きい場所。この干満の差が、カキを育てるにも最適の場所なんだそうですね。
1847年にサン=マロを訪れたのが、ギュスターヴ・フロベール。フロベール著『ブルターニュ紀行』には。

「海の上に築かれ、城壁に囲まれたサン=マロは、訪れる者には、波の上に置かれた石がつくる冠のように見える。」

そんな風に書いています。また、カンカルで泊まった宿では一枚の絵に、眼を走らせています。

「ビロードのチョッキのショール・カラーのあいだからぴんと伸び、ダイヤのピンで留められたピンクのネクタイ………」

これは絵に描かれた「男の理想」。題名は、『結婚の申し込み』。
それはともかく。ショール・カラーの、ビロードのチョッキ。悪くないですよね。

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