鉛筆と黒服

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鉛筆は昔、「ボロウデール」と呼ばれたことがあるんだそうですね。 Borrowdale 。
昔むかし。1500年頃。英国、カンバーランド州、ケズウイック、ボロウデールで黒鉛が発見されたから。この黒鉛を木などで挟んで、文字を書いた。で、「ボロウデール」と。
鉛筆は鉛筆なんですが、スパイ鉛筆。第二次大戦中の英国には、スパイ鉛筆があったんだそうですね。
スパイ鉛筆はやはりカンバーランドの、「レクセル・カンバーランド社」で、極秘のもとに、少量生産されたという。スパイ鉛筆は、空軍の飛行士に一本づつ持たせたとか。
スパイ鉛筆はごくふつうの形で、頭には消しゴムも付いていて、字を書くことも。でも、万一、遭難した時の用意に。中に、小さな磁石と、薄い、小さな地図が収められていた。地図には三種類あって。鉛筆に刻まれた数字で、どの地域であるかが、分かったそうですね。
鉛筆ではなくて、シャープペンシルが題につくミステリに、『シャープペンシルの老人』があります。ジョルジュ・シムノン。名探偵、エミール・シリーズのひとつなんですが。この中に。

「上司らしい男のほうは、絹の縁取りのある黒い上衣に、ストライプズボンをはいている。」

よくある「ブラック・ジャケット・アンド・ストライプト・トラウザーズ」なんでしょう。でも、上にはシルクのトリミングが。いいですねえ。

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