ベッドとベスト・ドレッサー

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ベッドは、寝台のことですよね。スリーピング・ベッド。人が眠るための寝台。
ベッドもまた人の歴史とともに進化してきたものなのでしょう。今ならさしずめ、ウォーター・ベッドでしょうか。中の水温を変えることで、年中、心地よい温度の中で眠ることができるんだそうです。
一方、風変わりなベッドもありまして。「コフィン」 coffin 。「柩」。立派な柩を作らせて、それをベッド代わりにしたお方がいます。その人の名前は、サラ・ベルナール。
サラ・ベルナールはいざというときのために、絢爛たる柩を注文して。それがあんまり美事なので、その中で眠ることがあったという。
サラ・ベルナールは往年の、フランスの名女優。お母さんの名前は、ジュリーで、帽子の売り子だったとも伝えられています。そのことと関係があるのかどうか、サラ・ベルナール自身も帽子と大いに関係しています。
「フェドーラ」を舞台でかぶった女優は、まさにサラ・ベルナールだったのです。「フェドーラ」は、劇作家のヴィクトリアン・サルドゥが、サラ・ベルナールのために書いた戯曲だったのですね。
ところでベッドが出てくるミステリに、『フォックス家の殺人』があります。

「彼は目をこすって眠気を払いのけながら、ベッドの上にすわった。」

「彼」とは、デイヴィー・フォックスという名の空軍大尉という設定。そうかと思えば、薬剤師の、アルヴィン・ケインという人物も登場します。

「紳士服飾店のソル・ガウディーが好んでいったように“この街でのベスト・ドレッサー”なのだ。」

「この街」とは、小説上の架空の街、ライツヴィルを指しているのですが。それにしても、「ベスト・ドレッサー」には憧れるばかりです。
なんでも念入りに選んだ服装を、着た時にはすっかりそれを忘れること。なんだそうですが、なかなか上手くはいきませんね。

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