ブライトリングは、腕時計の銘柄ですよね。主に、精密時計に優れた時計会社。
ブライトリングは、1884年に、レオン・ブライトリングが、スイス、サンテミエで開いた時計工房なので、その名前があります。
1914年に、レオン・ブライトリングが世を去って。息子の、ガストン・ブライトリングが跡を継いでいます。
1915年に、複雑機構を組み込んだ腕時計を発表。これは主に飛行士用の、計測器でもあって、世界初の「クロノグラフ」だといわれています。現在も、ブライトリングはイタリア海軍の防水時計を納入しているとのことです。
ブライトリングのクロノグラフが出てくる映画に、『サンダーボール作戦』があります。1965年の、「007シリーズ」の一本。映画『サンダーボール作戦』は「海中戦」がひとつの見せ場になっていますから、ブライトリングが登場するのも、当然であるかも知れませんが。
原作の『サンダーボール作戦』は、もちろん、イアン・フレミングの作。1961年に刊行されています。これは必読書でもあって。この中に。
「気どらないが仕立てのいいヘリンボーンのうす茶ツイードの服は、アンダーソン・シェパードの仕立てと読めた。白い絹シャツを着て、えんじの水玉ネクタイをしめ、やわらかい焦茶のVネックのセーターは南米産野生ラマの毛らしい。」
これは謎のポルトガル人、リッピ伯爵の服装。余談ですが、「南米産野生ラマの毛」は、ヴィキューナのことかと思われます。
ブライトリングが出てくるミステリに、『密送航路』があります。1997年に、フィリップ・カーが発表した物語。
「何じゃない。時計。これは、ブライトリング・クロノメーターだ。世界でいちばんいい時計だ。」
これはデイヴ・デラノーの科白。つまりは自分の腕時計を自慢している場面。『密送航路』には、こんな描写も出てきます。
「ヌーデリ自身は、イギリスびいきだった。イギリスの靴、イギリスのスーツ。いつでもイギリス製を買った。」
トニー・ヌーデリはマフィアの黒幕という設定。配下にはアメリカの既製服。で、自分は上から下まで、英國製の服。
まあ、作者の、フィリップ・カーがイギリス人でもありますからね。
ブリティッシュ・メイドの服に、ブライトリングの時計。悪くないですね。