馬蹄とバティック

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馬蹄は、馬の靴のことですかね。「ホース・シュー」というではありませんか。
馬の足には蹄があって。この蹄を守るための鉄の輪が、馬蹄なんですね。
日本の馬に馬蹄を付けるようになったのは、明治になってからのことなんだとか。明治になって西洋人がやって来て。「日本にはホース・シューの習慣がない」と、驚いたという話が残っています。
日本での馬蹄は、おそらく西洋文化の輸入とともにはじまっているのでしょう。
馬蹄は、独特の形をしています。輪のようでもあり、一方の端は開かれています。そこで、「ホースシュー・バック」といえば、椅子などの曲線のある背凭れを意味するんだそうですね。
日本にも、「馬蹄硯」というのがあったらしい。これは、馬の蹄に似た形の硯のこと。
むかしのアメリカのゲームに、「馬蹄投げ」があったそうです。地面に棒を立てておいて。これをめがけて、馬蹄を投げる。うまくポールに馬蹄がかかった者が勝ち。
1966年『メンズ・クラブ』4月号に、「馬蹄投げ」が紹介されています。

「投げる距離は12メートルです。勝敗は21点先取り式。」

そんなふうに説明されているのですが。「馬蹄投げ」も一例ですが。1960年代の『メンズ・クラブ』には「遊び」のペエジが多かったみたいですね。
そのことと関係があるのか、どうか。1966年『メンズ・クラブ』4月号には、「サーキットでブレザーを着る」ペエジも出ています。

「右はバティック柄、中央はシアサッカー、左はご覧の通りチェックです。これならサーキットでも映えます。」

そのように解説されています。このうち、バティックのブレザーを着ているモデルは、大野 忠さんだと思います。よくご一緒させてもらったものです。
バティック b at ik は、臈纈染のこと。ジャワにはじまってとされるので、「ジャワ更紗」とも。

🎶土手のすかんぽ ジャワ更紗…………。

もちろん、北原白秋の詩の一節。土手のすかんぽが、ジャワ更紗の模様に想えるという内容になっています。
生地の上に蠟を張って染めると、その部分だけが染まらない。そのことを応用した染色が、ジャワ更紗。それを英語で、「バティック」と呼ぶわけですね。
バティック柄の上着で。馬蹄投げといきたいものではありますが。

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