にんじんと錦

ウインザー公は、紳士服飾の20世紀のスタイルやトレンドに大きな影響と功績を残した。それは21世紀の現代でも、燦然と輝き続けている。そんなウインザー公へのオマージュも込めて、選びぬいた情報や製品をセレクトしてお伝えします。

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にんじんは、野菜のひとつですよね。英語での「キャロット」も、にんじんのことであります。
にんじんはごく少量のバターと塩でゆっくり煮込むと、美味しいものです。にんじんは栄養価が高い食品なんだとか。毎朝、にんじんジュースを飲む方がいらっしゃるのも、そのためなんでしょう。
にんじんを洗って、切って。ジューサーに入れるだけ。美味しいにんじんジュースの出来上がりです。

『にんじん』は小説の題にもあります。1894年に、フランスの作家、ルナールが発表した物語。「にんじん」は、少年の仇名。ほんとうの名前は、フランソワ・ルピック。
『にんじん』は、少年時代のルナール自身をモデルとした物語。少年時代のジュール・ルナールは、縮れた赤毛で、そばかすいっぱいだったから。
この小説をルナール自身が戯曲化した演劇が、『にんじん』。
1900年に、「アントワーヌ座」で、初演。大成功の芝居となっています。

「ネクタイを選び、爪を磨いてやり、ミサの祈祷書を渡すのだが、重いほうをにんじんに持たせる。」

これはお姉さんのエルネスチーヌが、にんじんの着付けを手伝っている場面。

にんじんが出てくる小説に、『けいせい色三味線』があります。元禄十四年の八月に発表された物語。

「……………もとより人参沢山成所なれば……………。」

これは長崎での話として。長崎には中国から人参が輸入されていたので。もっとも元禄の頃には、薬の一種だったようですが。『けいせい色三味線』には、こんな描写も出てきます。

「錦の山白糸の滝、流れ木の伽羅を筏に組み……………。」

ちょっと大げさではありますが、『けいせい色三味線』には、そのように出ています。

「錦」は、豪華絢爛の生地のことですね。
『和漢三才図会』は「錦」を次のように、説明しています。

「………これを作るには大へんな技巧が必要で、その価は金のようである。」

その昔、「磨心」という名の名工がいて、「磨心」が錦を完成させたんだとか。西暦の710年頃の話なんだとか。
どなたか錦で、チョッキを仕立てて頂けませんでしょうか。

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