ブランデーは、代表的な蒸留酒ですよね。
まずワインがありまして。ワインをさらに蒸留することによって、ブランデーとなるわけです。
つまり、ワインのある所、望めばブランデーを造ることができるわけであります。事実、ブランデーは世界中で造られていること、ご存じの通りでしょう。
でも、どこの国であってもブランデーの中での名酒とされるのが、「コニャック」。コニャックはフランスの原産地呼称でありまして。コニャック地方で造られたブランデーしか「コニャック」を名乗れないことになっています。
コニャックがお好きだったお方に、ナポレオン・ボナパルトが。というよりも、兵士に元気をつけさせるために、コニャックをうまく利用したというべきかも知れませんが。
ナポレオンにとってのコニャックは、軍事用秘密兵器だったのでしょう。そんなこともありまして。1810年にナポレオンは、「クルボアジェ」を訪問しています。
「クルボアジェ」では、このナポレオンの訪問を徳として、「ナポレオン」の名称を添えることにしたんだそうですね。
しかし、コニャックよりも古い歴史を持っているのが、「アルマニャック」。もちろんアルマニャック地方のブランデー。一説に、1300年代にはじまっているんだとか。
古いから良いわけではありません。が、ブランデー通の中には、「コニャックよりもアルマニャックが好き」とおっしゃるお方もいるようです。
1930年代まではブランデーは男の飲むものという印象があったらしい。そこで生まれた女性の飲む物が、「ブランデー・アレクサンダー」。もとより、カクテル。
ブランデーに同じ量の生クリイムを合わせたカクテル。これは1930年代には女性専用の飲み物として、人気があったという。
コニャックが出てくる長篇に、『さかさまに』があります。1962年に、大佛次郎が発表した連載小説。
「電灯の、こうこうと明るい台所で、大作はコニャックの瓶とコップを戸棚から出して、ひとりぼっちでテーブルに向かった。」
大佛次郎にとって『さかさまに』は、記念すべき物語。大佛次郎がはじめて現代表記で書いた小説なのですね。
ブランデーが出てくるフランスの物語に、『十五少年漂流記』があります。1888年に、
ジュール・ヴェルヌが発表した冒険小説。
「スクーナーの船倉にはまだ、赤ワインとシェリー酒が百ガロン、ジンとブランデー、ウィスキーが百五十ガロン、そしてエールが四十樽あった。」
十五少年の平均年齢はだいたい十歳くらい。それでも彼らは食事の時に、水割りブランデーを飲んでいるのですが。
たとえばリーダーの「ドニファン」は、十三歳と設定されています。このドニファンは、ブリーチーズを穿いていたらしい。
「ブリーチーズ」br e ech es は脚にぴったりフィットした、膝下までのズボンのこと。
動きやすくて、どんな上着にも合わせられる特徴があります。今こそ、見直したいもののひとつ。
どなたかか現代版のブリーチーズを仕立てて頂けませんでしょうか。