分入って 霊気のなかに 百合の花
山匂ひ 汐風清し 野薔薇かな
夢に見る おみな麗し すみれ花
かのひとの 帯の柄あり 春椿
水浴びて 膚艶かす 椿かな
黄金を 野に咲かせたる 金盞花
松の根を 我が家と想ふ 金盞花
遠き日の くちづけ哀し 紅き薔薇
金色の 心をつつむ 椿かな
ウイスキイ 山も飲みたげ 春の暮れ