バイロンとガウン

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バイロンはよく知られた詩人ですよね。
イギリスの、ジョージ・ゴードン・バイロン。
バイロンはバイロンでも、「バイロンの池」というのがありまして。どうして、「バイロンの池」なのか。その昔、この池でバイロンが泳いだからなんだそうですね。
「バイロンの池」を見に行ったひとりに、池田 潔が。「バイロンの池」は、英国、ケンブリッジ、グランチェスターにあるんだそうです。バイロンも、池田 潔もケンブリッジ大学に学んでいるわけですから、まあ、そんなこともあったのでしょう。
池田 潔、バイロンの池を眺めた後、どうしたのか。「ブルー・ボア」というパブに入るんですね。

「薪の燃えさかる爐を取り囲んで香高いリプトン茶を幾度か代え、クラムペットを焼くその傍から一人がバターを塗ってゆく。窓の外にはイギリスの田舎の秋らしい浅黄色の霧が立籠めていたことでしょう。」

池田 潔著『イギリスについて』には、そのように書いています。1926年ころの話なんですが。
クランペットはイギリスらしい菓子ですね。少し固めのパンケーキ、といえばやや近いでしょうか。
1920年、池田 潔は17歳で、英国留学。その時、お父さんから与えられたのが。

「出発の日が迫ってから急に思い出して、父は蔵の中から一着ドレッシング・ガウンをとって来させた。ロンドンの有名なイェーガー商店のもので、煉瓦色の厚いウールの素晴らしく温かそうな品、臙脂と焦茶とラクダ色の撚り紐がついていた。」

『父を語る』と題する随筆の一文。お父さんは、池田成彬ですね。
なにかガウンを羽織って。バイロンでも読むとしましょうか。

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