居酒屋とシャツ

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『居酒屋』という題の小説がありますよね。
1877年に、エミール・ゾラが発表した名作。原題は、「ラソモワール」なんだそうです。「ラソモワール」は、この傑作に出てくる居酒屋の名前なんですね。
どうして「ラソモワール」 Lassommoir かというと。「ソモワール」には「ぶっ倒す」の意味があって。居酒屋もまた「ぶっ倒れる」まで飲む所だから、なんだとか。
居酒屋はスペインでは、「タスカ」 tasca というらしい。で、スペインで居酒屋のハシゴをすることを、「タスカ・タスカ」というんだそうです。

「数あるタスカの中でも、包丁屋横丁クチリェロス一七番地にあるカサ・ボティンは十八世紀から親しまれてきた由緒ある店として知られている。」

辻 静雄著『ヨーロッパ一等旅行』には、そんなふうに出ています。
この「カサ・ボティン」の出てくる小説に、『日はまた昇る』が。もちろん、ヘミングウェイが1926年に発表した物語。

「ぼくたちはボティンの二階で食事をした。そこは世界でも最高のレストランの一つだった。

「ぼくたち」とはいうまでもなく、ジェイクと、ブレッドを指しています。ランチなんですが、食べること食べること。リョハ・アルタを五本ほど空にしています。この『日はまた昇る』の中に。

「学生が以前、ポロ・シャツと呼んでいた、ことによるといまでもそう呼ばれているかもしれない、あの型のシャツを、いつも彼は着ていたが……」

これは当時、プリンストン大学生だった、ロバートへの想い出。ということは、1920年代のプリンストン大学では「ポロ・シャツ」の言い方があったんでしょうね。

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