公園とシャツ

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公園をゆっくり歩くのは、気持のいいものですよね。
公園は広いし、緑が多く、空気が良い。
しばらく歩いて、公園のベンチに腰を下ろすのも、愉しみのひとつでしょう。公園にベンチはつきものですよね。
公園のベンチにも、いろんなのがあります。木のベンチ、プラスチックのベンチ、鉄のベンチ。
鉄のベンチの場合、美しいカーヴのあるものが多い。これはどうも世界的な傾向みたいです。たとえばチュイルリー公園のベンチにもカーヴのあるガーデン・チェアが置かれています。あのアールヌーヴォーふうのガーデン・チェアは、ウイーンの影響だと考えられているようです。
オーストリア、ウイーンには「トーネット」や「コーン」といった曲木の椅子を得意とするメーカーがあります。あのウイーンの曲木の椅子を、鉄に置き換えたのが、カーヴの美しいガーデン・チェアなのです。
アールヌーヴォーふうガーデン・チェアはヨーロッパに限ったことではなく、アメリカにも、北欧にもあります。北欧ではあのカーヴのあるガーデン・チェアのことを、「ウイーンの椅子」と呼ぶんだとか。
ウイーンの話が出てくるミステリに、『スパイは黄昏に帰る』が。マイケル・ハートランドが、1983年に発表した物語。

「ルフトハンザのエアバスはウイーン上空で旋回し……」

また、こんな描写も出てきます。

「薄手の地味なスーツ。だが、上着を脱ぐと、その下には畝織りシルクの見るからに高そうなダークブルーのシャツが……」

これは香港在住の、英国情報部員、ベンジャミン・フーの着こなし。
シルクのシャツで。公園を散策してみたいものですね。

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