ダイアナは、女の人に多い名前ですよね。
今は亡きダイアナ王妃こと、ダイアナ・フランセスは有名でしょう。
ダイアナはもともと古代ローマの女神で、「ディアーナ」とも。ディアーナは、古代ギリシアの女神、「アルテミス」ともつながっているんだとか。
ダイアナは、月と狩りの女神。詩の言葉での「ダイアナ」は、「月」の象徴にも。ダイアナの絵によく鹿が添えられるのは、狩猟の女神でもあることをあらわしているわけです。
ダイアナで、ファッションで、ということになりますと。ダイアナ・ヴリーランドでしょうか。『ヴォーグ』の編集長だったお方ですね。
ダイアナ・ヴリーランドは、1903年7月29日。パリに生まれています。旧姓は、ダイアナ・ダルジール。ダイアナは八歳で、家族とともに、ニューヨークに移り住んでいます。
その後、ダイアナはアメリカの銀行家、リード・ブリーランドと結婚。ロンドンで、小さな下着ブティックを開いた時期もあったようです。
1937年に、『ハーパーズ・バザー』に寄稿。これが縁となって、『ハーパーズ・バザー』の編集者に。1939年のこと。
1962年。『ヴォーグ』に移って、編集長。ダイアナのお好きだった色が、赤。いたる所に赤使ったものです。また、早起きの人でもあって。朝、八時になると。自宅ベッドから、バスタブから、スタッフに電話で指示を出したという。
『ヴォーグ』が出てくるミステリに、『パーフェクト・スパイ』が。1986年に、ジョン・ル・カレが発表した長篇。
「コーヒー・テーブルの上には古い≪ヴォーグ≫がひと山あった。」
また、こんな描写も出てきます。
「ストラコニツェという町は、どんな偉大な文化遺産よりも、オートバイと東洋風フェズの生産で知られている。」
ストラコニツェは、チェコの町。「フェズ」 fez はいわゆるトルコ帽のこと。
ダイアナ・ヴリーランドがトルコ帽を被ったことがあるのかどうか。どなたかご存じでしょうか。