恋とトレンチ・コート

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恋は、いいもんですよね。
恋で、写真家でとなると、キャパでしょうか。ロバート・キャパ。ロバート・キャパは歴史に遺る戦場カメラマンであり、歴史に遺したいプレイボーイでありました。キャパの恋の遍歴を綴ると、軽く一冊の本になるでしょう。
1940年代、キャパが被っていたヘルメットの内側に。

「偉大なる戦争特派員であり、恋する者であるロバート・キャパ所有。」

と、書いてあったそうです。ご本人がそうおっしゃるからには、間違いないでしょう。その頃、キャパが恋していた相手は、「ピンキー」。すこぶるつきの美人で、恋するキャパにはその髪の色、ピンク色に見えた。で、「ピンキー」。
1943年。キャパは戦場写真を撮るために、急遽、イタリアへ行くことに。1943年は、それほど簡単に飛行機に切符が取れるはずもない。で、キャパは軍人でもないのに、軍用機で、イタリアに飛んだことがあります。これはピンキーがある将校に交渉した結果だったのですが。
1944年、ピンキーは盲腸の手術。1944年の5月に、退院。ちょうどその頃、ロンドンで旧知のヘミングウェイと再会したこともあって、パーティーを開く。5月24日のこと。この時、キャパが40ℓ入りの水槽に、桃のパンチを作ったのは、有名な話でしょう。
1944年を時代背景に描かれるミステリに、『反撃の海峡』が。ジャック・ヒギンズが1990年に発表した物語。この中に。

「クレーグは軍服を着ていた。略帽とトレンチ・コートといういでたちで、トレンチ・コートを脱ぐと………」

クレーグ・オズボーンは、アメリカ戦略事務局の少佐という設定。このトレンチ・コートは、コットン・ギャバジンだったのか、ウール・ギャバジンだったのか。気になるところではありますが。

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