シャンパンとオーヴァーオールズ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

シャンパンはいつ、どんな時にも飲めるものですよね。
シャンパンを詠んだ詩に、『酒のいろいろ』があります。堀口大學の詩。

シャンパンは口説酒
シャルトルーズはお床入り
お床の ( 男の中の ) 男です
この一言に嘘はない

あの優れた、高名な大詩人が、珍しく言葉遊びを愉しんでいます。それもまた、シャンパンの功徳というものでしょう。
この明るい詩からも想像できるように、堀口大學は恋する詩人でもあったようです。詩人だから恋をしたのか。恋をしたから詩人なのか。とにかくフランスでは、あのマリイ・ローランサンとも仲良しだったというのですからね。
堀口大學は詩人。でも、その一方でフランス文学者でもあり、翻訳家でもありました。たとえば、サン=テグジュペリの本を多く訳してもいます。アントワーヌ・サン=テグジュペリ。
サン=テグジュペリも恋多き人で。いや、恋熱き人で。愛妻、コンスエロとの愛は今なお語り草になっているほどです。コンスエロは美人の中の美人でありました。コンスエロと、サン=テグジュペリは、会ってはじめから、ふたりとも電流に撃たれてしまったのです。1931年4月23日に、コンスエロとサン=テグジュペリは結婚。それ以前も、それ以降も、濃やかな恋文を取り交わしています。

「操縦士が身支度する。スウェーター、絹の襟巻、皮革のオーバー・オール、毛皮裏の長靴。」

サン=テグジュペリ著『南方郵便機』の一節。訳はもちろん、堀口大學であります。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone