ローレンとピン

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ローレンで、女優でといえば、ローレン・バコールでしょうね。
ローレン・バコールが『ハーパーズ・バザー』のモデルから、女優になったのは、よく知られているところでしょう。
1944年は、第二次大戦中のことで。でも、『ハーパーズ・バザー』は、フロリダ州のセント・オーガスティンに、ロケを敢行。この時の編集者が、ダイアナ・ヴリーランド。そしてモデルが当時まだ無名の、ローレン・バコール。
当時、セント・オーガスティンは海軍基地でもあって。海兵隊の全員がそのモデルの名前を知りたがったという。『ハーパーズ・バザー』が出ると、「彼女の名前は?」と、問い合わせる手紙が千通近く、編集部に届いた。
ローレン・バコールはモデルになる前、なにをしていたのか。ローレン・バコールは17歳くらいで、NYの演劇学校の生徒。そのかたわら、「セント・ジェイムズ劇場」の受付係でも。
ある時、ローレン・バコールが「セント・ジェイムズ劇場」で働いていると。何人かの客が開演のベルが鳴っているのに、中に入ろうとしない。で、ローレン・バコール歩みよって、言った。「さあ、ぼくたち、お利口さんだから、中に入りましょうね。」と、彼らは不思議に大人しく中に入った。
彼らとはその頃、うるさ型で通っていた、ジョージ・ジーン・ネイサンや、ウイリアム・サローヤンなどの連中だったのですが。ジョージ・ジーン・ネイサンは、当時とびきりの洒落者と噂のあった、演劇評論家で、名編集者。ウイリアム・サローヤンは、有名な作家。
そのローレン・バコールが結婚したのが、ハンフリー・ボガート。ハンフリー・ボガートといえば、『カサブランカ』。『カサブランカ』の試写は、1942年11月。「ハリウッド劇場」で。ただし一般公開は、1943年の1月。
1942年に生まれたのが、アンドリュー・ヴァクス。アンドリュー・ヴァクスが1998年に発表したミステリ、『セーフハウス』。この中に。

「おれの服装は、薄いピン・ストライプの入った黒っぽいスーツ、白いシャツ、濃いオレンジ色のネクタイというものだった。」

「おれ」とは、物語の主人公で、私立探偵の、バークのこと。ピン・ストライプのスーツを着ているわけですね。
ピンの先で描いたような、細い線だから、「ピン・ストライプ」。なかなか上品な感じのする柄であります。

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