ブックは本のことですよね。ひと口にブックといってもいろんな種類があります。
たとえば、古書。世の中には古書の大好きな人もいるみたいですね。
十八世紀のフランスに、ひとりの古書好きがいた。ブーラール。アントワーヌ・マリー・アンリ・ブーラール。ブーラールはもともとは裕かな弁護士だったそうです。
ブーラールはフランス革命期に古書が二束三文で売られるのを見て、失望。これがきっかけになって。それからというもの古書を買って買って、買いまくる。ブーラールが一生に買った古書の数、ざっと六十万冊であったという。
ある時ブーラールは、奥さんから「もうこれ以上本を買ってはいけません」。と、ブーラールは寝込んでしまった。医者に診せると、「本患いですなあ」。で、再び古書を買うようになって、元気になったそうですね。
古書の町として知られるのが、ヘイ・オン・ワイ。ヘイ・オン・ワイは英国、ウェールズ地方にある小さな村。この小さな、静かなヘイ・オン・ワイには三十数軒の古書店が並んでいる。
1960年頃までのヘイ・オン・ワイは、過疎村だったのです。そのヘイ・オン・ワイを一変させたのが、リチャード・ブース。ほとんど何もない村に、古書店を開いたのです。1961年こと。それからだんだんと古書店をはじめる人も出てきて、賑やかに。
1971年にリチャード・ブースは、「ヘイ城」を古書店に変える。まさに「古書城」。こうして世界中から古書好きが集まってくるようになったんだそうですね。
この古書の村、ヘイ・オン・ワイで結婚式を挙げたのが、ジョー・ウォルトン。ジョー・ウォルトンが2008年に発表したのが、『バッキンガムの光芒』。この中に。
「それからボーター・ハットのリボンを青に替え、頭にのせてみた。」
たしかに。ボーター boater はハット・バンドを替えるだけで、印象が一変するものですよね。