カヌーは、小舟のことですよね。小舟ですから、軽い。カヌーはもともと男ひとりで川岸に運べるようになっているんだとか。
カヌーは、軽い。軽いけれど、荷物はかなり、積める。もしその気になれば、一週間や二週間、野宿のひとり旅だってできそうですが。
カヌーでもことによく知られているのが、カナディアン・カヌー。その昔、カナダの原住民が工夫し、愛用したので、その名前があります。カナディアン・カヌーは歴史を辿るのが困難なほどに古いんだそうです。
少なくとも十六世紀には、カナディアン・カヌーの原型があったらしい。それは、「バーク・カヌー」。「バーク」 bark は、「樹皮」。丈夫な木の枝で「骨」を組み、その「骨」の上に樹皮を張ったカヌー。なので、「バーク・カヌー」。なるほど、樹皮なら軽いでしょうね。
戦前の日本人でカヌーに乗った人がいます。文芸評論家の、小林秀雄。小林秀雄は戦前の杭州でカヌーに乗っています。
「庭の池からカヌーで湖水に出てみる。」
小林秀雄著『杭州』には、そのように出ています。昭和十三年頃のことですが。
カヌーが出てくる小説に、『きみに読む物語』があります。ニコラス・スパークスが、1996年に発表した物語。
「二分ばかり柔軟体操をし、もうひとつのカナディアン・カヌーをしまってある小屋に行った。」
これは物語の主人公、ノアの様子。では、ノアはどんな服装なのか。
「彼はシャワーを浴び、新しいジーンズをはいた。赤いシャツと黒のカウボーイ」ブーツにし、髪をとかして階下のキッチンにおりていった。」
「彼」が、ノアであるのは言うまでもありません。
「赤いシャツ」は、ウエスタン・シャツなのしょうか。いずれにしても、カウボーイ・ブーツはいいものです。
今度、カウボーイ・ブーツで、カヌーに乗ってみたいものですが。