パンケーキとパール・グレイ

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パンケーキは、美味しいものですよね。パンケーキともホットケーキとも言うようですが。つい最近までの日本では、「ホットケーキ」が多かったようです。
一方、アメリカでは「パンケーキ」と呼ぶことが多いらしい。パン pan 、平たく鍋で焼くから、「パンケーキ」なんだそうですが。
ひと口に「パンケーキ」とは言っても。その厚さによって大きく印象が変わってきます。薄い、クレープ風のパンケーキもあれば、なんだかクッションにしたくなるようなパンケーキもあって。
また厚さ以外にも、何をかけて食べるのかによっても。バターなのか、オリーヴ・オイルなのか。蜂蜜なのか、メープルシロップなのか。
ヘミングウェイの小説に、『最後の良き故郷』というのがあります。これは少年の頃、ヘミングウェイに実際にあった出来事を小説にした物語。妹と一緒に家出する場面があって。
妹と野宿した翌朝、ヘミングウェイは自分と妹のために、パンケーキを焼く。薪に火をつけ、川の水で、粉を溶いて。もしヘミングウェイの愛読者なら一度くらい川の水で粉を解いてみるのも、良いかも知れませんね。
パンケーキが出てくるミステリに、『復讐』があります。ビル・プロンジーニが、1985年に発表した物語。

『シロップをたっぷりかけたパンケーキのイメージが漂っていた。」

これは、ケリー・ウェイドが想像している場面。また、こんな描写も。

「パール・カラーのシャツに、艶のある、青みがかったグレイのスーツという出立ちで…………」。

これは、サンフランシスコ市警の警部、レオ・マクフェートの着こなし。「パール・カラーのシャツ」は、もしかすれば、パール・グレイではでしょうか。
パール・グレイは、上品な、優雅な色です。メープルシロップたっぷりのパンケーキを食べる時には、シャツにこぼさないようにいたしましょうね。

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