ブッシュミルズとプラス・フォアーズ

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ブッシュミルズは、ウイスキーの銘柄ですよね。アイリッシュ・ウイスキーの、「ブッシュミルズ」。
アイルランドの北、アントリウム州があって、その村に「ブッシュミル」があります。ブッシュミルで造られるので、「ブッシュミルズ」。近くには美しいブッシュ川も流れています。
「ブッシュミルズ」は、1608年の創業と、たいていの辞書には出ています。もう少し正確には、蒸溜許可を受けた年が、1608年なのですね。時の国王からの許可。それ以前にも許可なくアイリッシュ・ウイスキーは造られていたのです。
許可なきウイスキー。まあ、はっきり言えば、密造ウイスキー。密造ウイスキーのことをあでは、「ポティーン」 poteen と呼んだ。同じものをスコットランドでは、「ポチーン」 poitinと言ったという。
どうして「密造ウイスキー」なのか。国が多額の税金をかけて、それから逃れるための、無許可ウイスキーだったから。
アイルランドとスコットランドでの言葉の違いといえば。ウイスキー同士を混ぜることをスコットランドでは、「ブレンディッド」。これに対してアイルランドでは、「バッテッド」。その昔、「バット」の中で混ぜたからでしょう。
そもそものウイスキー造りは遠いむかし、アイルランドからスコットランドへ伝えられたと考えられています。
ブッシュミルズが出てくるミステリに、『復讐の血族』があります。ジャック・ヒギンズが、2001年に発表した物語。

「わたしはアイリッシュ・ウィスキーのブッシュミルズをお願いします。」

これは、ロッホ・ドゥ伯爵の科白。また、『復讐の血族』には、こんな描写もあります。

「だいたい妙ちきりんな恰好をしてるぜ。あれはニッカーボッカーか?」

これは狩猟服を着ている姿を指しての言葉。ニッカーボッカーズの別の名前に、「プラス・フォアーズ」があります。膝下よりも4インチ長く仕立てるので。
プラス・フォアーズ姿で、ブッシュミルズを飲みに行きたいものですが。

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