アフリカとアーガイル

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アフリカで想う曲に、『アフリカの星のボレロ』がありますよね。はじめて聴いてから、ざっと半世紀。でも、胸を締めつけられる抒情に満ちています。
『アフリカの星のボレロ』は、1957年の映画『アフリカの星』の主題歌。第二次大戦中のドイツの撃墜王を描いた映画。映画は映画として、映画音楽の『アフリカの星のボレロ』は、今も心の奥にの遺っています。
アフリカが出てくる小説に、『ティファニーで朝食を』があります。トルーマン・カポーティが、1958年に発表した物語。

「ホリーの身にも同じことが起こっていればいいのだがと、僕は思う。そこがアフリカの掘っ立て小屋であれ、なんであれ。」

この一行で、『ティファニーで朝食を』は終わるのですね。訳者は、村上春樹。村上春樹は、「訳者あとがき」の中で、トルーマン・カポーティの名文を褒めています。

「実にうまく均整のとれた、簡潔でなおかつ意を尽くした文章に仕上がっている。」

村上春樹は高校生の時、原文で、カポーティを読んだ。それは『無頭の鷹』という短篇。それを読んだ村上春樹は、「とても、こんな文章は僕には書けない」と、思った。村上春樹が二十九歳になるまで、小説が書けなかったのは、トルーマン・カポーティの名文のせいである、とも。
『ティファニーで朝食を』は、あまりにも有名でしょう。オオドゥリイ・ヘップバーン主演の映画で。でも、映画の『ティファニーで朝食を』と、小説の『ティファニーで朝食を』ちはまた別物であります。愛好家としては、映画と小説、ふたつとも愉しめるわけですね。
小説『ティファニーで朝食を』の中に。

「この三ケ月のあいだにアーガイルの靴下を十足も編んだのよ。」

これはもちろん主人公の、ホーリー・ゴライトリーの科白なんですね。ホーリー・ゴライトリーに編んでもらったアーガイル・ソックス。たぶん、一生の宝物になるでしょう。

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