サラミとサスペンダー

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サラミはもちろん、サラミ・ソーセージのことですよね。あのサラミ・ソーセージにも大きく分けて、二種類があるんだそうですが。ここでは乾燥させて、うんと固いほうのサラミ・ソーセージ。柔らかい、保冷が必要なサラミ・ソーセージもあるんだとか。
固い、まるで棍棒のようなサラミ・ソーセージ。これは、ビールによく合いますよね。「サラミ」s a l am i には「塩」の意味があったそうです。いや塩ばかりではなく、いろんな香辛料がたくさん入っていて、これで美味しく感じるな、というほうが無理というものです。
ところで、サラミはどんな風に切るのか。まっすぐ切るのか、斜めに切るのか。つまり斜めに切ると、やや表面積が広くなって。空気とふれあう面積が広くなる。これはワインなんかもそうですよね。空気にふれたほうが美味しいとか。
サラミにワインもよろしいが、ビールもよろしい。まず、サラミを切りまして。ビールを注ぎまして。最初にサラミを一口食べてから、ビールへと。このしばし待つ間の快感もまた、サラミとビールならではの、味わいなのでしょう。
サラミが出てくるミステリに、『ハートの刺青』があります。1957年に、エド・マクベインが発表した物語。

「真っ赤な糸でつるしたイタリアのサラミソーセージ。」

これは物語の主人公が街の風景を眺めている場面。また、『ハートの刺青』には、こんな描写も出てきます。

「黒い靴はぴかぴかに磨きぬかれ、靴下は、ゴムつき靴下の時代には珍しく、ガーターできちんととめられていた。」

これは、「彼」と呼ばれる男の着こなし。エド・マクベインはアメリカの作家ですから、「ガーター」なのでしょう。イギリスではふつう「ソックス・サスペンダー」と呼ぶことが多いものです。
ソックス・サスペンダーで、サラミと参りますか。

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