トーストとトレンチ・コート

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トーストは、毎朝のように食べるものですよね。毎日のように食べて、飽きない。まこと、不思議なものであります。
トーストは古い英語であるらしく。なんでもラテン語の、「トルレーレ」から来ているらしい。「トルレーレ」は「乾かしたもの」の意味があったそうですが。
戸板康二著『目の前の彼女』の中に、トーストの想い出が出てきます。

「朝、まだ床にはいっているうちに、ボーイが、コーヒーとトーストを、届けてくれる。そのトーストの焼き加減のよかったのが、未だに忘れられない。色といい、予め塗ってあるバタの味といい、今でも思い出すほどである。」

これは戸板康二が子供の頃、神戸から横浜に向かう「日枝丸」での、トースト。
赤瀬川原平にも思ひ出のトーストがあって。それは、火鉢の炭火で焼いたトーストだというのですが。
トーストが出てくるミステリに、『チャンス』があります。1996年に、ロバート・B・パーカーが発表した物語。

「そのローマン・サラダはふつうのトースト・サラダとたいへん似ているが、グリーン・オリーヴ、くさび形のアーティチョークの芯、チェリイ・トマト、ニンジンの千切りと赤レタスの葉が入っている。」

たしかにそう言えば、トーストを細かく切って入れたサラダ、ありますよね。また、『チャンス』には、こんな描写も。

「ホークが袋を机におき、白いレザー・トレンチ・コートを脱いでラックに掛けた。」

これはスペンサーの相棒、ホークの仕種。うーん。白い革のトレンチ・コートですか。ちょっと私には………………。まあ、トレンチ・コート色に焼いたトーストでも頂くとしましょうか。

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