カルティエとカフ・リンクス

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カルティエは、有名店ですよね。とにかく1847年の創業なんだそうですから、老舗。1902年には、倫敦に支店を出しています。
カルティエを語るときに忘れてならないのが、サントス。今も「サントス」という時計があるますよね。あの「サントス」は航空家の、アルベルト・サントス・デュモンに由来しているのです。
アルベルト・サントス・デュモンは、1873年7月20日。ブラジルに生まれています。ブラジル・コーヒーの裕な農園の息子として。ごく簡単にいってアルベルト・サントス・デュモンは、富豪だったのです。

サントス・デュモンは富豪であったことに加えて、洒落者でもありました。ひとつの例を挙げるなら、「コル・サントス・デュモン」。これは十九世紀末、サントス・デュモンが巴里に流行らせた襟型。高い、高い、シャツの襟。サントス・デュモンは、飛行機を操縦する時にも、高い、高い、襟のシャツを着たのです。
サントス・デュモンが、ルイ・カルティエに出会うのは、1896年のことだと考えられています。
サントス・デュモンは、飛行機を操縦しながら、時間を確認できる時計を必要としていて。その註文に応じたのが、ルイ・カルティエだったのです。その飛行家用の腕時計が完成したのは、1904年頃だったという。
カルティエが出てくる小説に、『劇場』があります。サマセット・モオムの物語。

「そのあくる日、ジューリアはカーティアへ行ってトム・フェネルに送ってやるために、時計をひとつ買い求めた。」

ここでの「カーティア」は、おそらくカルティエのことでしょう。
余談ですが、サントス・デュモンは、カフ・リンクスなどもカルティエに註文しています。
また、『劇場』に戻りましょう。

「真珠の飾りボタンやカフス・ボタン、さてはチョッキのボタンまで贈った。」

スタッドと同じように、ドレス・ウエイストコートの前ボタンも、飾りボタンを用いることがあったのです。
それはともかく、カルティエでカフ・リンクスをお願いするのは、夢また夢ではありますが。

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