パルテノンとパピヨン

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パルテノンは、古代ギリシアの神殿ですよね。「パルテノン」はギリシア語で、「乙女の部屋」の意味があったという。
あのパルテノン神殿は、一度、壊されているんですね。1687年のこと。オスマントルコがギリシアを攻めて、銃を放った。ギリシア軍はパルテノン神殿を火薬庫にしていたので、爆破、炎上。
1800年代になって。その頃、トルコ大使だった、英國のエルギン伯爵が、パルテノン神殿の壊された一部を買うんです。もちろんギリシア政府了解のもとに。
エルギン伯爵は買ったパルテノン神殿の部分を、イギリスに運んでいます。1816年にエルギン伯爵は、大英博物館に売却。今も大英博物館では、「エルギン・マーブルズ」と呼ばれるのは、そのためなんですね。
パルテノン神殿の美に惹かれてお方に、ジャンヌレがいます。

「見よ、神殿の神聖さを、風景の荒々しさを、完全無欠なるその構造を。」

ジャンヌレは『今日の装飾芸術』の中に、そのように書いています。ジャンヌレは、シャルル・エドゥアール・ジャンヌレ。そうは言っても、ピンとはこないでしょう。実は、コルビジェの本名なのです。
コルビジェは、1887年10月6日。スイスの、ラ・ショウ=ド=フォンに生まれています。ラ・ショウ=ド=フォンは、スイス時計の産地。
シャルルのお父さん、ジョルジュは時計職人でした。もう少し詳しく言いますと、文字盤に、エナメルで文字や絵を描く技術者だったのです。もしかすれば、シャルルも時計職人の道に進む可能性もあったかも知れませんね。
しかし実際には、「コルビジェ」のビジネス・ネイムで、優れた建築家となったのは、ご存じの通りです。
コルビジェは長く巴里左岸に住み、パピヨンを愛用したことでも知られています。パピヨン、蝶ネクタイ、ボウ・タイ。
いつの日にか、パピヨンを結んで、パルテノン神殿に詣りたいものですね。

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