デューセンバーグとディナー・ジャケット

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デューセンバーグは、昔の名車のことですよね。1920年代から、1937年まで製作された、アメリカの自動車。
ドイツ系アメリカ人の、フレッド・デューセンバーグと、オーガスト・デューセンバーグの兄弟がはじめたので、その名前があります。
1913年に、最速のスポーツ・カーを作ろうと。その後、1920年代になった、「最高額」の自動車を作ろうと。それが「デューセンバーグJ」だったのです。
「デューセンバーグ」世界ではじめて油圧ブレーキを備えた名車だったとも伝えられています。
アメリカの映画俳優では、クラーク・ゲイブルがデューセンバーグを愛車に。イギリスでは、後のウインザー公が。フィクションの世界では、エラリイ・クイーンの持車が、デューセンバーグと設定されています。
1920年代末から、1930年代はじめにかけての高級車は、まず例外なく、コーチビルダー製。車台は車台で買って、客室は客室で、別に注文したのです。つまり、「デューセンバーグJ」とはいっても、ひとつとして同じスタイルの車はなかったじょですが。
1930年頃。「フォードA」が 500ドルで買えた時代。『デューセンバーグJ」は、シャーシーだけで、 8、500ドルもした。架装はまた別ですから、まさに値段のつけられない名車だったのですね。
デューセンバーグが出てくる物語に、『インディ・ジョーンズ』があります。『インディ・ジョーンズ』は、ハリソン・フォード主演の映画でも有名ですね。でも、これは、ジェイムズ・カーンの原作。

「ショート・ラウンドは急いで、デューセンバーグを置いてある倉庫に急いだ。」

ショート・ラウンドは、中国人少年という設定になっています。1935年の上海が舞台ですから、デューセンバーグが出てきても、なんの不思議もないでしょうね。
著者の、ジェイムズ・カーンは、本来は医者。英語監督の、スピルバーグが、医学の助言を求めて、カーンに会ったのが、はじめ。ここから『インディ・ジョーンズ』の原作も書くことに。まあ、不思議な縁と言ってよいでしょう。
ジェイムズ・カーン著『インディ・ジョーンズ』には、こんな描写も出てきます。

「ラオ・チェは黒い絹のディナー・ジャケットに、黒いシャツ、白いタイという姿だった。」

ラオ・チェは、暗黒街の黒幕ということになっています。「絹の」ディナー・ジャケットはもちろん、あるでしょう。が、もしそれが「ディナー・ジャケット」ならホワイト・タイは結びません。
「暗黒街の黒幕」ならではの着こなしなんでしょうか。
ふつう「ブラック・タイ」は、ディナー・ジャケット。「ホワイト・タイ」は燕尾服と定められています。お間違いになりませんように。
それにしても、ディナー・ジャケット姿で、デューセンバーグに乗るのは、夢また夢の物語ではありますが。

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